2015/12/10

野坂昭如さん


今日、野坂昭如氏が亡くなられた、との報が入ってきた。



ビックリ半面、

85歳という高齢という事もあるのだし



数年前に、調子を崩された、との報に触れて以来だろうか、なので

(あぁ、とうとう逝かれてしまったか)

というのもひとつの感想ではある。



野坂昭如さんといえば、

まず



『火垂るの墓』である。



あの清太が野坂昭如さん本人であり、作品の様に妹さんを亡くされている。

作中の清太は死ぬが、現実の野坂さんは生き残るのである。



ジブリ作品もそうだが、ぜひ小説でも読んで頂きたい。



ジブリ作品と違うところがあって、

というか描かれてないエピソードがあり、



あの、清太の死は実に

「一足遅かった」という何とも皮肉的なソレなんですね。

小説の清太の死だけを切り取って見れば、



根本的には、そういう悲劇は確かに戦争が招いたんだろうけども、

むしろ

運命のいたずら

だけを感じる。



読んでいる者には何もしてやれない、っていう

そういうところの「もどかしさ」だけが沸き起こるのだ。

例えば韓国で「戦争を美化して…なんて映画だ」なんて批判に曝されたり、

また

作者の野坂さん自身もあんな経験を日本人が二度としないために、



という意図で書かれたのか、どうか

実際のところ知りませんが、

そういう、

反戦といった政治思想的にしか語られない部分が時々あって、そこは非常に残念である。



それ以上に

単に物語として素晴らしいと思います。

それを



例えば「反戦」っていう自分の思想に繋げていくかは、ほんと個人の自由だと思う。

ジブリで最高の作品だと思います。



子供の頃はすごく怖かったけど。



短編であるし、

ひっきりなく流れるような文体であるので、あっという間に読める独特の文章です。



あとは、TVタックルでの姿でしょうか、



31歳の僕にとれば、少しの文学作品とTVでの爽やかなあの物言いだけであるが、

それをまだ見たかったと、ただただ淋しい、の一言に尽きるのです。



野坂昭如さん、ありがとうございました。


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【とっとりなしおPV】https://youtu.be/BpV8hmBnPAc
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【とっとりなしおHP】http://tottori-nashio.jp

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