やはり中公新書は良著揃い!(お金は貰ってません)
只今、読んでいるのは
今谷明氏が著した『室町の王権 足利義満の王権簒奪計画』(中公新書)です。
学生時分に得た、室町時代の知識、教養は
あってないようなレベルでございまして
今回、山川出版社の『日本史』も読み返してみましたが
足利義満が何をしたか、が微塵も書かかれてない、
ということを実感しました。(お断り:勿論、山川出版社は悪くありません)
足利義満は、国王になろうとしたのです。
極端にいったら、天皇になろうとしたのです。
真の日本の統治者を目指すに当たって
教科書での記述は
武家トップ(将軍)として、足利家以下の武家(守護大名)の統治、に留まり
肝心の天皇家・朝廷への工作は2、3行にまとめられてしまってます。
今回の新書は、その、教科書でたった2、3行の記述に終わっている事柄が
200ページ以上に亘って記されている点が
凄くセクシーだと思います。
室町時代⇒室町幕府⇒日本の統治者という、安直なイメージを抱いてしまいがちですが
実はそうでなくて
幕府(将軍)といえども、武家の棟梁ってだけで
京都には必ず、もう一つの王権があるのです。
いつの時代も。
だから、これは室町時代に限ったことでなく
古代中世から当代に至るまでの、
「誰が日本代表なんだ?」という日本固有の問題にも繋がるのです。
歴史的に
【天皇】という位、家、制度の、それ自体の存亡に関しての危機は
何度かあるのですが
中でも!
一番危うかったのが、当に
足利義満の時だった!
らしい…
という事を最近風の便りで、というか小耳に挟みまして
その時一緒に紹介されてた本が中公新書の『室町の王権』だったのです。
義満が如何に国王(天皇)の位に近づいていったか、というその工作が、迫力を以って
刻々と綴られています。義満のその、目に余る《天皇家への浸食》は
「そりゃ、幕末に自分の木像の首が京都の河原に晒されるわ!」と納得できます。
この、桂枝雀さんみたいな風体をした男が
天皇の、その存在を脅かしたのです。
そう思うと、読みたくなりませんか?
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