今回久々にTVドラマを視ています。
TVドラマを近年あまりにも視なさ過ぎてて、
視なさ過ぎてて、って解ってても家でじっとドラマを視る事が結構しんどいんです。でも、
一話の、それも最初の15分でも視てみると…
もうTVから離れられなくなってるのだから
自分がTVドラマに対して如何に食わず嫌いになってるか愕然とします。
今のところ、『天皇の料理番』『アイムホーム』『書店ガール』『Dr.倫太郎』
『ようこそ、我が家』『She』『REPLAY&DESTROY』『ヤメゴク』…
みんな楽しい作品ですが、多過ぎてもうシンドイです。
えー、今回特に『天皇の料理番』という作品は
昔堺正章さんや、明石家さんまさんが出演された分が何十年か前に既にあって、
(視なあかんな〜)と常々思ってたところ、佐藤健でリメイク、という事で、個人的に最注目でした。
また作品の著者が直木賞作家の杉森久英さんという事で文学作品になるんですかね、
そうなると僕の場合(読まなあかん!)となり、
スタート前に買って来て急いで読んだ次第。
なので、既に最後まで話を知ってる訳で、
あとはTVドラマと比べてどこを削り、どういう風に膨らませているのかを視るだけなんですが、
それにしても
原作(小説)の『天皇の料理番』を読んだ感想は、
「もっと早く出会いたかった」の一言。
本当に、中学か高校の時に出会いたかったです。
僕が教師なら間違いなく必読図書に指定します。
教室の後ろの本棚に必ず置いておきます。
ドラマを視てる人は既にお分かりでしょうが、どんな話かというと、
田舎のやんちゃ坊主が宮内庁出仕のシェフになる爽やか立身出世物語、です。
中でも一番心に残った一文(シーン)は、
「おめえが巻き上げなくたって、自然とそういうことになるんだ。
アニさんはこの新調の、寝心地のいいのをお使いください、あっしはこの汗とあぶらの匂いのするセンベイ布団で結構ですと、そう言わねえじゃいられねえだろう。
つまり巻き上げられるのだ。それが世の中というものだ。」
(上巻・P112-113)
(上巻・P112-113)
これは、主人公の篤蔵が先輩2人の下宿に一緒に同居させて貰う事に決まったシーンで、
自分の布団がない事に気づいた篤蔵は自分で買おうとするところを
1人の先輩がもう1人を指差して「(新しい布団を)こいつに巻き上げられるぞ」と注意するんですが
そのもう1人の先輩が「そんなひどい事しませんよ〜」と弁解した所で上の様に諭されるんです。
この原作の『天皇の料理番』の良いところは、
知ってると徳をする、人間関係(社会生活)における機微みたいなモノを登場人物たちが教えてくれるところです。
舞台は明治から大正、昭和と100年くらい昔ですが、
この本がやさしく教えてくれる知恵は今にも通用する普遍的なものです。
あと、主人公の篤蔵はポイントポイントで挫折を味わいますが、
全体としては
「そないにうまく行く?」ってくらいスマートに、爽やかに
ステップアップしていきます。
実は良縁に恵まれている事もあるのですが、
篤蔵自身がかなり賢く器用なので、現状況を完全に活かして次のステージに持っていき
ます。
ます。
(自分も背伸びしながらでも篤蔵みたく上手く、賢く、爽やかに生きていかなければ)
と奮起させてくれる所もまた、この本のエエ所です。
教室の後ろの本棚に置くどころか、
クラスの全員に買い与えますね。
ドラマで佐藤健が演じられてる篤蔵も、クセのキツいキャラクターで、ドラマならではで面白いです。
例えば、福井弁?あの訛りひとつでも、小説では伝わってこないですから。
取り敢えずドラマは視てる、って方は
小説も手にとって頂ければ、またソレはソレで勉強できますので
ぜひ。
一日で読めます。
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