2016/04/04

北極星のように



久しぶりに競馬について書きます。


最近は

radiko(ネットラジオ)で中継を聴きながら、iPadでのネット投票



というのがボクの専らのスタイルで



新聞眺めて、アンテナ伸ばしてラジオを聴いてるおっちゃんと

やってる事はそない変わりません。



ただ、ラジオじゃなくiPadってだけで。

ただ、耳に赤ペン挟んでないだけで。

ただ、競馬場やWinsで床に座り込んだりしないだけで。



さすがに桜花賞や宝塚記念、菊花賞など大レースには競馬場に足を運んだりします。

ああいう時に凄みを感じる「競馬のおっちゃん」というのが居てはるんです。



ただの「競馬のおっちゃん」ではありません。












ノ。



朝ドラ的でいうと



ほんまもん。

ほんまもんの「競馬のおっちゃん」。



ほんまもんの「競馬のおっちゃん」はね、

その時の大レースを見ないんですよ。

競馬場まで来てるのに。



凄いでしょ?

ヤバイでしょ?



パドックも見なければ、レースも見ない。

ただ床に座り込んで、新聞紙広げて、ラジオ聴いてるんです。

今から桜花賞なのに!



WINS(場外馬券場)でもほんまもんのおっちゃんが居てはります。

みんなモニターのレースに釘付けなんですが



まったく見てない人が居ます。



そうです、

ほんまもんの「競馬のおっちゃん」です。



今、当に発走するの、フラフラ歩いたり、階段で降りていった、

完全に達観してる。

全てを超越している。



僕なんか競馬場にもWINSにも行くんですが、

「馬券買う」というより「レースを見に行ってる」「スターホースを見に行ってる」って方が重要なんです。



例えば、競馬場でしたら

パドック視て、本馬場入場視にスタンドに移動して、それから馬券を買って

レースを視にまたスタンドに戻って、、



っていう風に、競馬場では忙しく動き回ってるんですね。

でも、

(俺、競馬場来て何してるんだろ)

とか、思ってりしながら。



そう、

ふと冷静になる時があるんですね。

そういう、冷静にはなりながらも



でも

目の前にレースは迫ってるし、馬券は買わなあかんし、で動きに動き回って。



僕だけじゃない、



周りも動いてて、

全てが動いてて。



競馬場ってそういうところなんです。行った事がない人は是非行ってみてください><



その中にあって、ただ一点。

まるで、北極星の様に



動かない物体に気づきます。

それが

《ほんまもんの競馬のおっちゃん》です。




競馬場まで来てるのに!


スターホースが今から走るのに!


今からオルフェーヴルが走るんやで!


ジェンティルドンナが!ゴールドシップが!


ドゥラメンテの復帰戦やで!


今日桜花賞やで!


宝塚記念やで!




「もうすぐ発走すんで!」

「いいのかよ!」

「知らんで!」



僕はおっちゃんに呼びかけます。

心の中で。



でも、おっちゃんは何も言いません。



「わかった。

ここで、お別れだな」



僕は泣いています。

心の中で。

『インサイドヘッド』でボンビンを救えなかった時ぐらい悲しいです。



それでも

ほんまもんの競馬のおっちゃんは



やはり、何も言いません。



こっちに振り向きもしません。

当たり前です。



ただただ、床に座り込んで広げた新聞に見入ったままです。多分最終レースの予想してます。



他人なのにね。

別に他人だから、その他人がレースを見逃そうと知ったこっちゃないハズなんです。



放っておいたらいいだけの話なんです。



きっと僕は悔しかったんだろうと思う。

馬券を買ったりレース見にあくせく走り回ってる、そんな自分が



《馬券のおっちゃん》のせいで、もっと滑稽に映ってしまう事が。





ほんまもんの競馬のおっちゃん。

「競馬のおっちゃん」というより「馬券のおっちゃん」ですね。



たぶん、死ぬまで敵わないだろうな。


「馬券のおっちゃん。」。

「馬券のおっちゃん♂」。



馬券の精。



北極星の様に、動かず、光っています。

ほんまもんの競馬のおっちゃんが居るから、僕らは動き回れるんです。



ほんまもんの「馬券のおっちゃん」は



来週もレースを見ない、

競馬場まで来てるのに。



なんでやねん、やで。





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