2011/11/15

my YUMING #4『緑の町に舞い降りて』


『悲しいほどお天気(THE GALLERY IN MY HEART)』(1979) 収録

このアルバムと、収録曲には英題がつけてありまして。
副題じゃなくて、あくまでも英題。

制作者的には、もしかしたら副題かもしれないが
僕は、無二の英題と受け取りました。
それで、今回の『緑の町に舞い降りて』は...


《ode》、オードというのは
調べると、あるテーマを
多くの人や物事に呼びかけるように歌う、自由形式の叙事詩!

らしい。
《MORIOKA》
もりおか。
盛岡。
盛岡の紀行曲でして、

普段は自宅にて聴きますけど、
やはりいつかは盛岡の地で耳にしたい、
っていう願望はありまして。
作者に踊らされたい!ユーミンに踊らされたい!
という、極めて健康的な
とある、一般男性のささやかな家族計画ですが。

とは謂いつつも、盛岡には、なかなか、さっと行けません。
東北って、そうですよね。
行きたいのに行けない。
いきたいのにいけない。
イキたいのにイケない。
「先生、最近イキたいのにイケないんですけど
どうしたらよいのでしょうか、助けてください先生!」

「実は先生もそうなんだ...訊いた相手が悪かったね」
とか言いながらね、話が逸れましたが
まぁ今年は震災もありまして、
行く機会がさらに遠退いた感じがあったんですが、
しかし!
僕はこの9月に、
(もうふた月も経つので、<あの9月>ですが)
仕事で青森に行ってきました。

向こうでの仕事を全て終えて帰ってくるときに
やはり被災地を自分の目で視ておかねば!ということで
車で気仙沼に向かった、
その途中に!
姿を見せたんですね、《MORIOKA》が。
それまで急峻な山々の間をただ縫い進んでいた
東北自動車道の左手に突如平地が広がり、

田園の中に
遠く
結構な都会がただポツンと佇んでいました。
新幹線が入っていくであろう
白い屋根の、ドーム型の駅舎が、
それだけが印象的でした。

100km近いスピードで進む高速から味わえたのは
たった2分くらいでしたが、
確かに《MORIOKA》を見たのです。
直ぐさま、耳に『緑の町に�』を響かせたのは
言わずもがな。

詩全編に亘り
美しく爽やかに輝く、盛岡の情景を
容易に思い浮かべられる言葉が並んでる。
[綾とる川面]の<綾とる>なんて

この曲を聴かなければ一生出逢わなさそうな活用形だ。
しかし、
なんだかんだ云っても

「MORIOKAというその響きがロシア語みたいだった」
という、このふた節に尽きる!

ユーミンが実際にそう感じた事だと思う。

主人公の少女(ユーミン?)が盛岡に舞い降りる、
というひとつの紀行が具体的になるのだ。

《MORIOKA》の響きがロシア語みたいに聞こえた
その、小さな出来事が
ユーミンが切り出したいモリオカの経験なのではないか。

そして、あの日遠く離れた高速から見ただけの
たった2分間の、白屋根の駅が目立つビル群が

僕にとっての《MORIOKA》である。

You Tube⇒http://www.youtube.com/watch?v=-AU0IjtkOXg&feature=youtube_gdata_player
歌詞⇒http://www6.airnet.ne.jp/satoumc/cgi-bin/kashi.cgi?ARG1=0080&ARG2=03

my Yuming 残り369曲

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